過去問は、早めに取り組めば良いというものではありません。効果的に活用するためには、取り組むべき時期があります。志望校への自信を失くさないよう、正しい時期に取り組みましょう。
質問されていることを正しく理解し答える
サピックスでは社会の倫理分野を除いて、5年生までに4教科のすべての学習を終えます。そして6年生になると、
どんな角度から出題されても回答できる力をつけるために、演習形式の授業が増え、多くの問題に触れ経験を積みます。長きにわたりインプットしてきた知識や技術を、正確に吐き出すテクニックを養います。
子どもは理解しているにも係わらず、いつもと異なる聞き方、違った角度から質問されると答えられないことがよくあるからです。
6年生の1学期には倫理分野も終え、よいよ夏休みからは過去問に取り組みます。ただ夏休みに取り組む過去問は、志望校ではなく、講師陣が選んだいろんな学校の良問を解きます。
サピックスでは、6年生の夏休み前に有名中学何十校もの直近の過去問が掲載された書籍が販売されます。価格は5000円程で電話帳のように厚い書籍です。問題、回答用紙、回答、解説が掲載されています。夏休みの宿題として志望校に関係なく、〇〇校の理科を解きなさい。〇〇校の算数を解きなさいと、各教科からそれぞれ宿題が出ます。
前年度に実際に出題された良問に触れることで、多くの出題形式に慣れることが目的です。
多くの中学校の過去問に慣れ、多種多様な問題形式に慣れて、よいよ秋からは志望校の過去問に挑戦します。
最初は期待していたほど得点が伸びず、自信を失ってしまうこともありますが心配する必要はありません。何年分か解いているうちに、その学校のパターンに慣れ要領がつかめると得点が伸びていきます。
志望校過去問は6年生の秋からチャレンジ
塾の方針によって取り組む時期や方法は多少異なるかもしれませんが、受験する予定の第一志望校、第二志望校、第三志望校の過去問題集を買い求めます。声の教育社から発行されている過去問がよく利用されています。
サピックスは目安として、第一志望校は10年分、第二志望校は4、5年分、第三志望校は3、4年分の過去問を用意するように指導されました。
市販されている過去問には、問題、回答用紙、回答、解説、学校の紹介、公表している学校は、過去の合格最高点や最低点などが掲載されています。
試験日が一回限りの学校の過去問は、最新号を一冊買えば、直近10年分程度が掲載されています。試験日が二回設けられている学校は、4、5年分が、試験日が三回設けられている学校は、3、4年分の問題が概ね掲載されています。
どこの学校の何年度の問題が必要なのか、何年分必要なのか、塾のアドバイスをよく確認して購入することをお薦めします。
6年生の2学期にはほとんどの家庭で志望校が決まっていることと思います。もし迷っていても、この時期には固めましょう。迷って決めかねているとなると、過去問に本腰を入れて取り組めませんから出遅れてしまいます。
志望校はどんな風に決めるのか、以下↓の記事もご覧ください。
街の書店では最新版が販売されていますが、ネット上には最新版はもちろん、それより前に発売された中古の過去問も販売されています。
さかのぼって何年も前の過去問が欲しい場合、インターネット検索が便利です。必ずしも求めている学校の求めている年度が見つかるとは限りませんが、街の古本屋を探してまわるより遥かに効率的です。
中古の過去問の中には、人気のある学校は本来の価格より随分高騰している場合もあれば、数百円で手に入る学校もあります。
過去問の具体的な取り組み方については、以下↓の記事もご参考にしてください。
また、四谷大塚のホームページには、誰でも簡単な会員登録をすれば、主な学校の過去数年分の過去問が無料で閲覧できるホームページがあります。ただし、問題と回答しかありません。解説がないので参考程度の利用をお薦めします。
以下は御三家クラスの学校の過去問です。御三家クラスの過去問を買っている人は、他にどんな学校に興味を持っているかもわかります。アマゾンや楽天で、お子さんの志望校の過去問を探してみてください。