第一子の中学受験は、どこの家庭も手さぐりでスタートすることになります。わが家も夫婦ともに地方育ち、中学受験の経験もなければ知識もないところから始まりました。二人の子どもの中学受験を終えた今、塾選びはサピックスで間違いなかったという経験をご紹介します。
目次
5、6年生αクラスは、中学受験のプロ先生が担当
首都圏における中学受験のための塾は、サピックス、日能研、早稲田アカデミー、四谷大塚、希学園、栄光ゼミナール、ena、市進などなど、まだまだたくさんあります。
わが家は第一子である娘が小学校低学年の時は、家から近い栄光ゼミナールに通っていました。しかし、1年くらい通ったある時、娘の一言でサピックスへのに転塾を決めました。その一言とは、
「カンタンすぎてつまらない。」
娘は特別に優秀という訳ではありませんが、なぜ、そう感じて転塾にいたったか詳しい経緯は、以下の記事↓をご覧ください。
娘は栄光ゼミナールでは上位の成績でした。しかし、サピックスでは、入塾から2年近く中の上くらいの成績でした。しかし、少しずつではありましたが、サピックスのノウハウと、やる気満々の先生達に会えたことで確実に成績を上げていきました。
娘は与えられた課題をコツコツと地道にこなしていくタイプで、5年生の終わりくらいにやっとαクラス(サピックスの成績上位クラス)に時々入れる成績になりました。αクラスの末席やその手前のクラスに常駐できるようになってから、塾の先生の話題がお茶の間に上がるようになりました。
実は3学年下の弟も、それから3年後、まったく同じように(娘よりゆっくりでしたが)、成績を伸ばしていきました。
ウーパー(先生のあだ名)がこんなことを言った。女子に人気がある。おかぽん(岡本先生)はいつも元気で声がデカイ。〇〇先生は怖い顔だけど優しい。社会の先生の授業は、学校の社会より面白いなど。 間違いなく小学校の先生より、塾の先生とのかかわりが密だなと感じました。
先生の話題が子どもの口からよくでるのと比例して、その教科への感心も高まり得点力がついていったように思います。
サピックス5、6年生に在籍していた頃は、各教科ともにマニアックなほどにこだわりの強いプロの先生たちに出会えました。保護者会で話す先生方の姿から、親の目にも、熱心でやりがいを感じて取り組んでいるのがわかりました。5、6年生は受験本番に近づくので、実力のある先生方が担当してくれます。
例えば、息子が教えてくれた話ですが、ある時、社会の時間におしゃべりばかりしている子を先生が何度か注意したそうです。授業になかなか集中しないので前に出てくるように言い、その途中で見返り美人をしなさいと指示したそうです。
江戸時代の菱川師宣筆(ひしかわもろのぶひつ)の描いた美人図を教わっていた時らしく、子どもたちがドッと受け、その作品を覚えたそうです。
先生の力量がなければ、小学生の集中力を長時間にわたり自分に向けさせ続けることは難しいはず。子どもたちを飽きさせないように工夫して、時に厳しく面白く授業をしてくれたようです。
熱心な先生との出会い
αクラスの中でも本当に成績のよい児童は、地頭がいいなと思うような子もいたようですが、ほとんどは課題をこなして実力をつけていく一般的な子どもたちです。親の根気強い応援も必要ですが、幼い小学生を長きにわたり、努力を強いるには先生の力によるところがかなり大きいです。小学生にとって楽しいとか好きだと思える先生との出会いは、直接成績に影響します。
娘も息子もサピックスで熱心な先生に出会い、信じてついていくことかできました。中学受験ノウハウの蓄積と熱心さは頼りになる存在でした。
娘も息子もサピックスのおかげで、第一志望校に合格できました。努力することや勉強のやり方、ライバルと切磋琢磨することを学びました。
ライバルがわが子を高見に連れていってくれる
子どもは塾で机を並べている友達から良くも悪くも影響を受けます。
サピックスでは、一生懸命に勉強するライバルに囲まれ、自分もやらなきゃと思うことが当たり前のことだと思っていたようです。親の言葉より、環境要因は大きいなと思いました。
負けん気の強さもあるかもしれませんが、娘も息子も、サピックスのライバルがわが子を高見に連れていってくれました。 塾は費用もかかりますが、塾は良きライバルを得るというメリットも大きいと思います。
どこの塾も上位校の合格実績がほしい
「サピックスは、いいとこ(偏差値の高い学校)狙いの塾だから、成績のふるわない下のクラスの子にとっては意味がない塾だ。」
よく、こんなことをいう人がいます。私はこの意見には疑問を感じます。
いいところ(偏差値の高い学校)を狙っていない塾などありません。
御三家はもちろん、どこの塾も上位校合格実績こそが大きな宣伝力を持つことはいうまでもありませんから、高い合格実績が欲しくない塾などありません。
塾経営はボランティアではありませんから、上位校を狙える児童に企業として力が入るのは当然のことです。
だからといって、どこの塾も成績が伸びない子の指導に力を抜いているということは決してないと思います。それぞれのやり方で、実績を伸ばして翌年につなげるべく、成績を引き上げるための努力や工夫をしています。また、
「サピックスでは難しくてついていけない。転塾しようかな。」
という話もよく聞きます。私は
「塾を変えるのではなく、授業の形体、集団授業でいいのかどうかを見直すべき。」
と思います。例えば、サピックスは、一番上位クラスから一番下位クラスまで同じテキストを使っていますが、算数は、実力によって取り組むページが違います。だから、基礎を理解できていない子に応用問題を強いるようなことはありません。
そもそも塾は集団授業。集団授業は一人一人の事情に合わせて待ってはくれないので、本人にできなかったことが悔しい、できるようになりたいという気持ちがあるかどうかが重要です。それはどこの塾に行っても同じこと。
他の塾を選び直す前に、集団授業でやっていけるのか、ますは個別で弱点を克服する方がよいのかなどを大人目線で子どもの状態をよく観察すべきです。
やっていることが難しいから違う塾に行く! それは目の前の現実から逃げる術を子どもに教えているのと同じように思います。できなかったらできるように、もう少し前のテキストを見直してみる、何度でもやり直してみる気力がなかったら、どこの塾に行っても変わりません。
サピックスではついけいけないからといって、他の塾に転塾していった知り合いの中に、その後、成績が延びて満足のいく結果が出たという人を知りません。私の知る限りですから、うまくいくケースもあるかもしれませんが・・・。
もし、塾通いがうまくいかないと考えるのであれば、
転塾ではなく、「集団授業」がわが子の学習スタイルに適しているかどうかを、まずは見極めましょう。
塾の学習についていけないなら、集団学習を見直すべき。こちらの記事↓も覗いてみてください。