サピックスに入塾するためには、入室テストに合格しなければなりません。出題範囲は、学年ごとにそれまでに学習したことすべてです。いったい何をどう準備したらよいのかご紹介します。
出題範囲のない入室テスト、慌ててもしかたない
サピックスの入室テストは、入塾後サピックスの授業に耐えるだけの学力があるか、また、既にあるクラスのどのレベルの学力があるかを見極めるためのテストです。
子どもの中には、初めての慣れない環境でテストを受けるため緊張して実力が出し切れず、まれに落ちてしまう子もいます。しかし、何度でもチャレンジできますから深刻にとらえる必要はありません。受け直して入塾するぞ!という気合があってこそ、その後の学力向上につながります。
小学校1~4年生までのテスト科目は国語と算数のみ。5年生は、国語と算数はもちろん、理科と社会が加わります。いずれの教科も範囲はありませんので、今までに学習したことすべてです。
では、数日後に迫ったテストのために、どう準備したらよいか?
残念ながら「〇〇問題集が役立ちます。」と言えるものはありません。ただ、子どもが失敗を最小限にとどめる心得として、基本的な心構えを親子で確認しておくと結果が違ってきます。
それは以下の通りです
・漢字のトメやハネやハライなど、丁寧にきちんと書くこと!
・薄い文字、読めない文字は不正解になるので、しっかり丁寧に書くこと!
・枠からはみ出さないように、回答は決められたスペースに丁寧に書くこと!(回答を記入する枠の大きさや書くスペースの大きさは、求められている正答のヒントになることが多いよねと娘と息子はよく話してました)
・質問されていることをしっかり読むこと
(「当てはまるもの」を選びなさいなのか、「当てはまらないもの」を選びなさいなのかに注意する)
実は、これらの注意点は、入塾後に何度も受けることになるテスト前に、必ずサピックスの先生が子どもたちに指導する事柄です。子どもは注意力が散漫です。子供ならではの、おかしがちなミスについて、意識することを教えてあげましょう。
算数は基本問題を落とさない
算数は、計算問題など基本的な問題にはじまり、だんだん難しい問題が出題されます。基本的な計算問題は簡単なので、他の児童も正解する確立が高いです。ここで点数を落とさないよう、子どもには、簡単な問題ほど丁寧に注意深く解くように話してあげてください。
大問の中には、大人も驚くような難しい問題も出ます。算数を得意とする子は、ここで得点をかせいで上位クラスに入っていきます。しかし、正答率は高くありませんから、難問を落しても問題ありません。
子どもには、わからない問題に時間をかけないで、できそうな問題をしっかり解くように話してあげてください。
これらのことは、大人にとっては当たり前のことですが、子どもは時間配分という考え方を知りません。できない問題にこだわって時間がなくなったというミスをよくします。
国語の注意点と理科社会
「国語は、想像や自分の考えで答えるのではなく、文章の中に必ず答えがあるよ。自分の思いではなく、問題の前後をもう一度読んでごらん。」
とサピックスの先生によく指導されました。大人は全体を見渡しながら部分的なことを理解できますが、子どもは、目の前の部分的なことだけにとらわれてしまいがちです。しかも、今読んだはずのことと、自身の頭の中の想像が混同しています。書いてあることの中から、答えを探しだすという作業を教えてあげてください。
理科社会については、それぞれ30分という短いテスト時間です。出題範囲はありませんから、問題集を買ってやってみるより、親子で小学校の教科書を一緒に読むなど、
「こんなこと勉強してるんだ、面白いね、ママの知らないこともたくさん知ってるね。すごい!!」
と子どもに自信をつけて送り出しげましょう。
テストを受けることに一番プレッシャーを感じているのは子ども自身ですから、やっつけておいで!と背中を押してあげるとよいと思います。