サピックスはどんなところ?

中学受験塾SAPIX(サピックス)の首都圏上位校における合格実績は、他塾を寄せつけないダントツ一人勝ちです。わが家は二人の子どもが通い、それぞれ第一志望校の女子学院と渋谷幕張中学に合格しました。中学受験準備のための塾を検討中の方にサピックスという塾について、私たちの経験をご紹介します。

目次

女性のイラストサピックスは復習型学習

サピックスは完全な復習型の学習形式をとっています。前もって予習することはできません。それはなぜか? 

学習するテキストは、毎回当日の授業で配布されるから。

事前に配布されている年間予定表をみれば、科目ごとにその日に取り上げる内容はわかりますが、実際に使用するテキストは、授業で初めて目にすることになります。

サピックスの説明によると、子どもは初めて目にする内容に興味を持ってくれるので、当日配布にこだわっているとのこと

テキストは、上位クラスから下位クラスまで同じものを使用し、クラスのレベルによって授業で取り組むページが違うようです。授業ではテキスト、必要に応じてプリント、副教材などを使って勉強し、学習を定着させるため自宅でやるべき宿題がそれぞれの教科から出ます。

宿題は優先順位をつけて、ここは必ず最初にやろう、これは一日たってからやろう、ここは次の授業の前の日にやろう、ここはできたら挑戦してみようといったように具体的に指示されます。繰り返し復習することで学習は定着するという方針です。

女性のイラスト成績によるシビアなクラス分け

基本的に塾(サピックスに限らず)は、ほぼ毎月行われるテストの結果に基づいて成績順にクラス分けされます。クラスの中の座る席順まで成績順です。

ただし、クラスの中で目が悪くて黒板がよく見えないなどの事情があれば、前の席に変えるなど対応してくれます。

どこの受験塾も、テストの結果によってクラスが昇降し、子どもたちの競争心に働きかけています。また理解の程度が同じくらいの子を集めることによって、授業もやりやすいからという理由もあるようです。

サピックスでは、テストの種類によってクラス昇降数に制限があるテストと制限がないテストがありました。制限のあるテストはマンスリーテスト。校舎の規模によって昇降クラス数が決められています。娘が在籍していた東京校全22クラス編成の時は、上下3クラスまでの昇降がありました。

制限のないテストは組分けテスト。獲得点数によって、一番上から一番下のクラスまで、一番下から上のクラスまで昇降の可能性があります。

毎回、それぞれの教科ごとに出された課題にきちんと取り組まないと、すぐにクラスが落ちてしまいます。テストで結果が出せなければ、思うようにクラスが上がっていきません。落ちるのはカンタン、上がるのはなかなか難しいです。

しかし、テストは毎月ありますから、うまくいく時もあれば、思いの他失敗してしまうこともあります。勉強はコツコツ積み重ねることによって、学力が増し、得点力もアップしていきます。短いスパンで評価せずに、長いスパンで取り組むことが重要です。

この緊張感を適度に楽しめるか、負担に思って苦しくなってしまうか、子どもによって受け止め方は様々です。適度に楽しめ、友達と勝った負けたとワイワイやりあえれば成績は必ず伸びると、私は思います。

まだ小学生なので、子どもたちは遠慮なく

「何点だった? 勝った勝った。」

と単刀直入に質問したりはやしたてたりします(特に男子)。もし、結果だけを負担に思ってしまう子なら、 苦しくなってしまうかもしれません。ましてや親が一喜一憂しているようでは、子どもを更に苦しめてしまうことになります。子どもが負担に思ってしまうか、次は勝ちたいと思えるかどうかは、親の声かけひとつで変わります。

「大丈夫、今回は負けたから、次は勝ちたいね。勝つためにはテストを見直そう」

と言ってあげたら、子どもも気持ちに整理をつけて前に進めます。次にすぐに勝てなくても、次の次か、そのまた次か、必ず伸びていくと思います。

女性のイラスト休み時間のないぶっ続け授業

サピックスの大きな特徴のひとつとして、教科と教科の間に休み時間がありません。

休憩時間、トイレタイムがないのを、ご存じでしたか。ひとつの授業が終わったら、すぐに次の教科の先生が入ってきて授業が始まるそうです。子どもは、

「一息つけるのは、教科が変わる時に先生が交代するほんの一瞬だけ。」

と言っていました。

トイレは、授業中に必要に応じて手をあげて先生に申し出て行くそうです。

休み時間を設けていないことについて、サピックスは以下のように説明しています。

休み時間を設けると、一度脱線してしまった子どもの気持ちを授業に呼び戻すのに時間がかかってしまう。

一方的に聞くだけの授業では長く感じ飽きてしまいますが、先生と子どもとやりとりしながら授業を進めるので、子ども達は適度な緊張感を維持して時間を長く感じていません。

確かに娘も息子も小学校の先生より、授業はだんぜん面白いと言っていました。

また平日の授業は、夕方から17:00から始まり終了時間は20時、21時と学年が上がるにつれて遅くなります。しかし、お弁当(夕飯)タイムはありません。塾に行く前に食べるか、帰宅してから食べることになります。ただし、6年生になって週末や夏休みや冬休みなどに特別講座が入ってくると、お弁当を必要な日もあります。

女性のイラスト3年生から国語、算数、理科、社会の4教科

サピックスの授業は、学年によって異なります。

小学1、2年生は国語と算数のみ

3年生以降は国語、算数、理科、社会の4教科で1セットの授業
例えば、国語だけは他の塾で受けたいという希望があっても、一教科分安くなることはありません。

大学受験のように苦手とする教科だけ講義を受講して、他の教科は自分で問題集に取り組むというスタイルはありません。まだ小学生なので、自ら問題集に取り組んだり傾向と対策を模索しながら学習を進めることは難しいためです。

一部の中学校では二教科、三教科受験もありますが、ほとんどの中学は4教科受験なので、どれも必須教科です。

女性のイラスト保護者会

保護者会は新学期が始まった時や長期休みの前後など、学期毎に2回ほどありました。

今やるべきこと、長期の休みにやるべきこと、親の心構え、子どもたちの様子、その年の合格実績から見えることなど、毎回各教科ごとに担当者が30分程度話をしてくれました。質問や相談は保護者会終了後に個別に対応してくれます。

ちなみに保護者会も子どもの学力レベル毎に分けられ実施されます。上位クラス、中間クラス、下位クラスと3つのグループに分かれ、異なる日程で集められます。指定された日時に都合が悪ければ、子どもの学力レベルとは別のレベルの保護者会に参加することもできました。

女性のイラスト保護者への連絡

通塾している間に特別に問題や用事がない限り、サピックスから連絡が来ることはまずありません

電話がある時は、テストでクラスが極端に落ちた、授業態度が極端に悪いなど、塾から見て心配なことがある時です。塾での様子などを教えてくれて解決のための提案をしてくれたり相談にのってくれます。

親として心配なことがある時には、いつでもサピックスに連絡をすれば、しかるべき担当先生が折り返し電話をくれます。必要があれば面談もしてくれます。

特別に問題がなければ、小学3年生2月の新4年生から受験終了までの3年間に、サピックスから案内される個別面談は6年生の春と秋の2回のみです

女性のイラストクラス規模と東京校の特徴

サピックスに通塾している児童数は学年や校舎によって異なりますが、娘が通っていた当時の東京校6年生は1クラス20人前後×22クラス、下の子が通っていた当時の6年生は1クラス20人前後×16クラスでした。
下の子が通っていた頃はサピックスの校舎数が増え、東京校まで通わなくても、より自宅近くの校舎に通うようになったためです。

サピックスの本拠地は東京校(東京の人形町)です。会社でいう本社のような心臓部にあたり各教科の責任者が在籍し、5、6年生を受け持っていました。

熱心でやり手の先生が子どものやる気を引っ張ってくれるので、東京校がもっとも競争が激しいと言われています。5年生までは自宅近くのサピックスに通塾し、6年生の仕上げには東京校に移籍していくる子も見受けられました。

この記事は、わが家の二人の子どもがサピックスにお世話になった2008年~2013年の様子です。2019年2月に受験を終えたママ友情報によると、最近はサピックス人気が高くて入塾を断られることもしばしばだとか。かつて一般的だった3年生2月に入塾時期は、低年齢化しているそうです。詳しい状況、学習の進め方など、直接サピックスの説明会などに出向いて確認することをオススメします。

受験を終えて、塾選択はSAPIXが正しかったと考える理由もご紹介しています。あわせてご覧ください。

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