一人の保護者からみた女子学院と渋谷幕張中学

娘の通った伝統校である女子学院と、息子の通っている新設校である渋谷幕張中学高等学校の違いについて、ご紹介します。子どもを通わせたからと言って、すべてを知っている訳ではありませんから、一人の保護者の感想にすぎません。もちろん内容に嘘偽りはありませんが、ひとつの角度から見た現実であり、思い違いや勘違いがあるかもしれないことをご承知おき頂いた上で、志望校選びの参考にして頂けると嬉しいです。

目次

女性のイラスト伝統校とはブランド力

娘は既に女子学院を卒業し、息子は渋谷幕張中学を経て高校に上がりました。1800年代から歴史のある伝統校「女子学院」と、まだ創立38年ほどの「渋谷幕張高校」では、いろんなことが異なります。

伝統校は、今まで通りのやり方を踏襲していく、新設校は、独自のやり方で実績を作ろうとしている姿勢を感じます。

どこの学校に入学しても、必ず満足な点もあれば、不満な点もあります。お金持ちで優しくて、かっこよくて、背が高くて、学歴が高い旦那はいないように、すべてが思い通りの学校なんてありません。何を優先して学校を選ぶか、まずはいろんな角度から学校の特徴を調査しましょう。

一般的に伝統校は生徒の面倒見が悪く、新設校は面倒見がよいと言われています。経験上、この噂は事実だと感じることがしばしば・・。

伝統校には、ブランド力があります。日本人はブランドが好きですから、偏差値が高い御三家と聞いただけで興味を持ちます。特別に宣伝しなくても、お客さん(生徒)は集まってきます。

わが家も、娘の最初の中学受験の時は、まずは御三家だろうと思いました。しかし、御三家だけに固執せず、ブランド力や偏差値だけでは量れない学校の教育方針、活動内容などの特徴を実際に足を運んで、自分の目と耳、肌で感じながらよく調べましょう。

では、ふたつの学校の違いをご紹介していきます。

女性のイラスト英語指導の違い

女子学院と渋谷幕張中学で、最初にまったく違うと感じたのは英語教育です。女子学院の英語指導は、教科書通りの授業で、特別可もなく不可もないように思います。決められた過程はきちんと終えるのでしょうが、授業以外の英語教育プログラム、例えば海外短期留学、海外留学生の受入、模擬国連への挑戦といった積極的に英語に慣れ親しむためのプログラムは一切ありません。

しかも、ママ友からこんな話を聞いたことがあります。同じマンションに住む〇〇ちゃん、英語に苦手意識があって成績が芳しくないため、英語の担当教師から連絡があって、

「このまま英語を放置してしまうと、取り返しがつかなくなってしまうので、今のうちにきちんと勉強してほしい。必要なら女子学院を卒業したチューターをご紹介します。」

と言われたそうです。私は、それは違うだろう。担当教師なら、救うのはあなたの仕事でしょう!と思いました。

一方、渋谷幕張中学は、英語教育に非常に力を入れています。授業以外の英語に慣れ親しむためのプログラムがたくさん用意されています。もちろん、それでも苦手意識を持ってしまう子もいますし、なかなか成績が伸びない子もいます。

渋幕のママ友が息子の英語の成績を心配して、本人に担当教師に相談に行かせたところ、たくさんの課題プリントを渡され、提出するように指導されていました。英語教師としてのあるべき姿です。

渋谷幕張中学高等学校の豊富な英語プログラムを以下に詳しくご紹介しています。以下の記事↓を是非、ご覧ください。

女性のイラスト大学受験指導への姿勢

娘は女子学院から、東京大学理Ⅰに現役で合格しました。女子学院は、毎年30名前後の東大合格者をだし、早慶合格実績も高いです。でもそれは学校の熱心な取り組みの賜物というより、各個人がそれぞれ塾に通いつめての結果のように思います。学校ははっきり、

「私たち女子学院は目先の大学受験ではなく、その後の人生を見据えた教育活動を行っています。」

と説明しています。つまり大学受験の指導はしませんと言っているのです。事実、中高6年間で模試などは一度も行われませんでした。夏休みなどの長期休みに講習は一切組まれません。保護者に合格実績から見えてくるもの、学校としての取り組みなど、一切説明もありませんでした。

それでも大学合格実績が悪くないのは、教育熱心な家庭が多く、中学3年の冬くらいには、塾に通い始める生徒がチラホチ見受けられ、学年が上がるにつれ、その数は増え、更には塾での履修科目を増やしていきます。

女子学院は、基本的に高校2年の秋に部活を引退します。大会や催しによって、10月引退、11月引退と多少時期はずれるものの、高3を目前に徐々に大学受験準備に入ります。

秋に引退したとはいえ、すぐに引退=猛勉強とはならないようで、年が明けた頃から少しずつ気持ちが引き締まって受験モードに入っていくようです

一方、渋谷幕張高校はどうか?
息子はまだ渋谷幕張高校2年生なので、どういった受験指導があるのかは、正直なところはっきりわかりません。来年、息子が経験したら、ご紹介します。

既に実施されていることは、中学に入学した時から、学校は保護者を集め、その年の卒業生の大学合格実績を説明し、それぞれの学年で注意しておくべきこと、校内での定期テストと大学合格実績の相関関係など毎年説明してくれます

合格体験記を発行したり、海外大学受験の情報提供なども熱心に行われています。もちろん模試も中1から定期的に行われています夏休みなどの長期休みには、必ず講習が組まれます。

共学全国トップ校と言われるようになって久しく、毎年東大合格者の数が増加し、17年度には東大合格者78名を出しました。学校の進路指導室主催の大学受験への取り組みの説明から、先生方は生徒とともに大学受験を闘っていることがわかります。

志望校を選択する時、大学合格実績だけでなく受験指導は積極的かどうかもよく調べておく必要があります。以下の記事↓もご参考にしてください。

女性のイラストその学校は、家庭と共に教育する学校か否か

渋谷幕張中学では、

「どんな些細なことでも相談してください。電話でもメール(毎年先生方のメール一覧が配布されます)でも、直接でも構いません。私たち教員は、生徒の役に立ちたいと思っています。」

と話して下さることからも積極的に家庭に係わろうとする姿勢を感じます。一方、女子学院は、学校と家庭とで子どもを育てましょうという姿勢は感じませんでした。具体的などんなことがあって、そう感じたか、以下の記事↓でご紹介しています。

最後に娘が女子学院を卒業する時、ある若い男性教諭が、

「うちは非常に閉鎖的な学校で、保護者の方からよくお叱りの言葉を頂きます。」

と挨拶されていたのが忘れられません。まさしくその通り!とうなずいた保護者は多かったはず!  きっと今後は若い先生が、伝統校のよさを継承しつつ、保護者の声も吸い上げてくれることと期待しています。

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