小学校受験で得たものがみつからない

小学校受験を考えるなら、まずは中学校受験のこともよく調べましょう。理由は、それぞれの受験の持つ意味がまったく異なるから。わが家は、以下にご紹介するような理由で、小学校受験をかじりました。更に、ガチの中学校受験の体験から感じたことをご紹介します。

女性のイラスト小学校受験の準備

息子は幼稚園児の時からサッカーが大好きだったので、サッカーが盛んで勉強も厳しく指導する暁星小学校(東京都)に入学させたいと考えました。旦那の職場の男性のお子さんが通っていたことをきっかけに、
「男の子はコツコツ勉強しないし(自分の体験から)、暁星小学校で勉強もサッカーも鍛えてもらったらいいのではないか。」
という旦那の親心からスタートしました。

都内の小学校受験は、毎年11月1日に解禁となりますが、思い立ったのは、その半年前のことでした。一般的に1年前から、早い子は3年前から受験準備に入るので残り半年では到底間に合う訳もありません。一応、いわゆる小学校受験のための塾に相談したところ、
「確かに遅いですが、やり方次第では間に合います。」
と説明されました。今思えば、
「間に合いません。」
といって客をみすみす帰すわけがありません。 ダメで元々やってみるかということになり、幼稚園児の塾通いがスタートしました。1コマ50分べら棒に高額な授業を何コマも受けました。

まだ文字も読めないので絵を書いたり、テープから聞こえるお話を聞いて、出てきた動物の絵に〇をつけたり、鉛筆がたくさん書いてある二つの絵を見て、瞬時に多い方に〇をつけたりといった問題を繰り返し学習しました。

受験する小学校によって、問題の出題傾向はまったく違いますから、志望校に合わせて準備します。 受験するからには受かってほしいと思うのが親心、限られた短い時間に薦められるがままに塾通いをしました。いうまでもなく、目の飛び出るような塾代がかかりました。

女性のイラスト訓練にどれくらいの価値があったか

結果的に息子は希望していた暁星小学校には合格できませんでした。他にもひとつふたつ受験しましたが、最終的に国立お茶の水女子大学付属小学校に入学することにしました。

余談ですが、国立お茶の水女子大学附属小学校の受験は、東京都23区に住んでいることが条件です。一次試験は抽選、その年は約8倍の難関でした。一次抽選で選ばれた児童が2次試験を受けることができます。試験内容は、お友達と遊んだり、平均台を歩かされたり、ミッフィちゃんのお世話といったものでした。そして、3次でもう一度抽選です。

その後、中学受験も経験しましたが、わが家にとって小学校受験のための塾通いは、どれくらい効果があったのか非常に疑問です。

理由は、以下の通りです。

1.幼稚園児の通塾で、得たものが未だにみつからない
塾で学習した内容を、小学生になった息子は何も覚えていませんでした。花の名前、こなしたドリル、興味がなかったせいか何一つ身になっていません。学習習慣も定着しませんでした。入塾が遅かったこともあって、他の子ができることを自分ができなくて、涙したこともあったようです。

2.小学校受験は子どもの気持ちはまったくない
100%親の計画で、息子は訳もわからずに塾の問題をやらされていただけでした。

3.小学校受験の最難関校は、中学校では最難関校ではない
男子女子、小学校受験で最難関校と言われている慶應幼稚舎、暁星小学校、双葉、白百合など、中学校受験では最難関校ではありません。そもそも中学校受験の最難関校には小学校は併設されていません。

例えば、男子なら筑波大付属駒場中学、開成中学や麻布中学、女子なら桜蔭中学や女子学院、豊島岡中学などには小学校はありません。

小学校受験の最難関校は、小学校受験より、中学校受験した方が合格しやすいです。もちろん簡単という意味ではありません。難関校の類に入りますが、難関校ではありません。

女性のイラスト小学校受験は親の受験、中学校受験は本人の受験

小学校受験で、幼い幼稚園児の能力を試験するのはなかなか難しいです。入試では、塾でいかに訓練されたかを試さているように思いました。基本両親面接は必須で、見られているのは親です。

小学校受験の準備をしていた当時は、親である私たちに小学校受験と中学校受験を比較するほどの知恵も知識もありませんでした。しかし、小学校受験と中学受験の両方を経験した今、わが家にとっては小学校受験で得たものが見当たりません。

小学校受験は、100%親が引いたレールを子どもに歩かせるための親の受験です。中学校受験も親の意向は大きく影響するものの、本人の意志や努力なしには成り立ちません。

小学生が、遊びを我慢して宿題をしたり、ライバルに負けたくない気持ちで頑張ったという経験は、学習習慣の定着につながり、その後の財産になります。学習だけでなく、家族の絆が強まり、応援してくれる人への感謝も学びます。

もちろん中学校受験が親の思い描くようにうまくいくとは限りませんが、小学生なりに努力や挫折を理解して経験することに価値があると思います。家庭によって考え方や目指すものも違いますから、あくまでわが家の経験ですが、小学校受験と中学校受験を比較した時、価値ある経験になるのは、自らの努力で何かをつかみ取る中学校受験した。

小学校受験を考えるのなら、同時に中学校受験のことも調べてから検討することをオススメします。

小学校受験と中学校受験、あなたはどちらを選びますか? 以下の記事↓もあわせてご覧ください。

この記事、お役にたったらポチッと、にほんブログ村 受験ブログへとして頂けると嬉しいです。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

オススメ著書やテキスト