首都圏に住む今どきの小学生、高学年ともなると多くの子が塾に通い始めます。親はみんなが塾に通っているからと慌てるのではなく、塾に通う意義についてよく考えてから通う通わないを決めましょう。
小学生の放課後、有効活用しないと後悔します
わが家は娘も息子も小学2年生の冬から卒業まで塾に通いました。ことの発端は、たまたま家に届いた栄光ゼミナールの無料理科実験というDMに釣られたことです。塾に行くと、先生がたくさんほめてくれるのが楽しかったらしく、二人とも小学2年生の冬から1年間は近所の栄光ゼミナールに、そして火がつき、小学3年生の冬からはサピックスに転塾しました。
親である私たち夫婦は、子どもの教育について、どうあるべきかなどきちんと話し合ったことないまま小学校に入学し、日々を送っていました。ましてや中学受験について何も知りませんでした。
しかし、たまたまひやかし半分で訪ねた栄光ゼミナールがきっかけで、娘のもっとやりたい!という気持ちを知ることになりました。
公立小学校は、もっとやりたい!と思う子どもの気持ちには答えてくれません。勉強する子もしない子も、学習指導要領で決められた内容が教えられるだけです。宿題もほとんど出ません。
塾では、大量に宿題が出ます。一生懸命に宿題をやる子、あまりやらない子がいます。一生懸命にやる子は、次のステージに上がっていくチャンスがあります。親は塾はやりたいを伸ばしてくれる場所だということに気づきました。子どもは自然と勉強のやり方を学び、学習習慣が身につきます。
娘は公立小学校に、息子は国立の小学校に通っていましたが、小学校はたいした宿題を出しません。目標に向かって努力して学習習慣を定着させるような教育もありません。今どきの小学生、放課後ほおっておけば、公園で走り回って身体を使って遊ぶのではなく、ゲームやインターネット三昧の生活をして過ごすのが現実です。
比較的時間にゆとりのある小学生時代は、子どもが興味あることに取り組ませるにはもってこいの年齢です。また小学生は興味を持ったことを吸収する力は半端ではありません。しかも親のほめ言葉に励まされ、その気になってくれます。
「うちは小学生のうちはいっぱい遊んで、中学生になったら勉強させようと思っています。」
とよく聞きます。
でも、小学生時代にダラダラ過ごしてしまうと、その生活習慣はなかなか変えられません。親の頭の中で出来上がっている予定に、子どもが従うはずもありません。しかも中学生になってしまうと、既に親の忠告は耳には届きにくい年頃に突入してしまいます。
学習習慣をつけるなら小学生のうちです。
小学校では得られないが、塾で得られるもの
小学校は基本的学習、集団生活や行事を通してたくさんの経験から得るものがあります。学習面においては一年を通して同じクラスメイトと、一定のレベルで授業が進みます。児童の中には、難しくてついていけない子もいれば、カンタンだと感じている子もいます。
「もっとやってみたい。」「もっと挑戦したい。」
という気持ちには答えてくれません。塾は基本的に成績でクラスを分けられるので、自分の実力に応じた課題に挑戦でき、同レベルの子と切磋琢磨し、負けたくないという気持ちが更に高見を目指します。
子どもによって程度の差はあるものの、小学生は競争が好きです。ドッチボールで勝った負けた、50m走で勝った負けた、目をキラキラさせて報告してきます。もちろん他の子との競争に興味がない子もいますが、以前の自分と比較して、
「こんなこともできるようになったんだ!」「この前より、すごく上達したね。」
とその子の中での勝利宣言も、非常に喜びます。
わが家の子どもは、〇〇ちゃんに勝った負けたとゲーム感覚で塾での競争を楽しんでいました。弟は最大のライバルである姉の数年前の成績と比較して勝った負けたと言うこともありました。
親は優等生と比較するような発言は絶対に控えるべきですが、
「根気よく漢字練習したね。」「間違えた問題を自分でやり直したね。」
と褒めてあげることで自信がつき、勉強に限らず一生懸命に取り組む経験は、その後の生き方にも影響する年齢です。うまく利用して、その気にさせてあげましょう。