中卒パパが娘を指導し、超難関中学校に合格「下剋上受験」

2014年7月に出版された『下剋上受験』という本、非常に話題になり、後にドラマ化されました。中卒のパパが、事情があって塾に通えない娘とともに二人三脚で中学受験に臨んだ実話です。ここでは、その桜井家のお話をご紹介します。

目次

女性のイラスト中学受験人気ブログNo.1著者による『下克上受験』

高校を中退したため『下剋上受験』筆者の最終学歴は中卒。実は、中学受験に挑んだ主人公の父(筆者)、母、そして祖父母も中卒なのだそうです。筆者(父)は社会に出てから学歴がないため大変苦労し、親として娘には絶対にそんな思いは絶対にさせたくないという思いからスタートしたお話です。

ことの発端は、大手塾が実施したテストを娘が受けたこと。小学校ではいつも良い成績をとっていたのに、そのテストは思いの他悪く驚いたそうです。塾に聞いてみると、

これは中学受験を準備している子たちの学力を問う試験なので、学校の勉強とは違うからです。

と説明されたそうです。

父親は、娘には立派に良い学校を卒業して社会に出てほしいという気持ちが人一倍強かったので、

「子どもの時にしっかり勉強を頑張っていい高校や大学を卒業すると、大人になってからの何十年もの間、パパのような苦労はしないよ。」

と小学生の娘に話してあげたそうです。娘は、

「じゃあ、今、勉強を頑張らなきゃ。」

と答えたそうです。その娘の一言で、親子は中学受験にチャレンジすることを決めました。

女性のイラスト父は昼は仕事、夜は娘と勉強、夜中は予習

娘と受験を決意したのは、受験本番を1年半後に控えた5年生の夏だったそうです。中学受験の準備は、一般的に3年ほど前にとりかかりますから時間的に余裕はありません。

いろいろな事情から塾に行くことはやめ、父親が娘のために勉強し、それを娘に教えるというスタイルで学習を進めました。父親は昼はガテン系の仕事、夜は娘と勉強、夜中は娘のために予習をする生活を続けたそうです。

わが家の中学受験は、塾(サピックス)にお世話になりました。その膨大なテキストや勉強量を、親が準備して指導するのは並大抵なことではありません。私にはどんなに時間があってもまずできません。

みごとに子どものやる気にスイッチを入れ、全力で最後まで面倒を見た父親の力、こんな風にできる親はそうそういないと思います。うちの子は勉強しないと嘆いている親は、どれだけ子どもと同じ目線で気持ちを共有できているのだろうか?  親がここまで本気で子どもと共に歩んでいく覚悟があれば、子どもはついてきてくれるのかもしれません。

女性のイラスト親が子どもに与える影響は、親が思う以上に大きい

結果的に第一志望女子最難関校の桜蔭中学には合格できなかったそうですが、桜蔭中学に次ぐ超難関校に合格したそうです。合格した学校は豊島岡中学校と噂されていますが、本人は公の場で公表していません。よって真実はわかりません。

この娘さん、受験が終わった時に

「楽しかったね。」

と父親に言ったそうです。第一志望校には合格できませんでしたが、この一言は中学受験は大成功だったとことを意味していると思います。12歳の子どもが目標に向かって一生懸命努力した経験が楽しかったと感じてくれたことは、間違いなく一生ものの価値ある経験です。

小学生は何をするにしても、親の導きや協力は不可欠です。知識の乏しい子どもに、親が与える機会や環境がいかに大きいか考えさせられます。

女性のイラスト「下剋上受験」ドラマ化

桜井家の中学校受験を原稿にした著者は、いくつもの出版社に売り込んだそうでが、ことごとく断られたそうです。やっと産経新聞出版社から出版にこぎつけ、その後、反響を呼びドラマ化されました。

2017年1月TBS系金曜ドラマ『下剋上受験』として俳優の阿部サダヲさん主演で放送されました。

これから中学受験を迎える方にとって、中学受験がどんなものかを知るのに参考になります。時にコミカルに、時にシリアスに、泣いたり笑ったり、子どもの気持ち、親の気持ち、それぞれの立場が描かれています。

既に中学受験を終えた方には、うんうんこんなんだったと単純に親子で楽しめます。わが家も、毎週楽しみにしてテレビに見入っていました。見逃してしまった方は、楽天に「下剋上受験 DVD-BOX」あります。

「なぜ子どもは勉強しないのか」「塾に通って伸びないのか」など桜井氏のもとに寄せられた相談メールの内容などから、親御さんが聞きたい情報を厳選して紹介した本も出版されました。

今や中学中学受験生の半数以上の家庭で使われている「下剋上算数基礎編」など、桜井新一さんの人気著書を、以下の記事でご紹介しています。

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