志望校は、子ども自身が自分で決めたように導く

中学校受験が親の押しつけにならないように、本人の気持ちをもり立てつつ志望校を選ぶのが、やる気を引き出す大きなポイント! それにはどうしたらよいか・・・

女性のイラスト志望校の決め方

SAPIX入塾後の最初の保護者会(小4の春)で、先生に面白いことを教えて頂きました。志望校選びには、学園祭など、子どもと一緒に見学に行くことになりますが、

「親が行かせたい学校に、まず最初に子どもを連れて行ってください。そして子どもの耳元でここがあなたの来る学校ね。とささやいてあげてください。子どもはその気になります。特に男の子は・・・」

志望校は、早い段階で決まっているにこしたことはありません。目標が決まっている方が、やる気を持続しやすいからです。ただ、学校選びの段階で子どもはまだ小学生です。どこの学校に行きたいか、自分でもわかりません。もし、どこかの学校の名前を口にしたら、それは間違いなく大人の言動を真似ているか、何かの受け売りです。

そこで親が行かせたいと思う学校を、子どもが行きたいと思うように導けばよいのです。子どもは親の言動をよく聞いています。何気ない日常会話の中で、

「〇〇中学はいい学校だね、説明会に行ったけど生徒が親切だった。卒業生にはこんなに活躍している人がいるよ。」

と、僕(私)も○○中学校に行きたいと思うように気持ちを高めてあげれば良いのです。

小学生の価値観は、親の価値観そのものです。

あまり親の思惑を強引に押しつけると、ぶつかってしまいますが、子どもが気分よくその気になるように仕向けるのが親の役目。本人はそうとは気づかず、自分で考えて志望校を決めたと思ってくれれば、動機付けは大成功です。

私の友人のお子さんは、小4の時に自ら、

「僕、受験して開成中学に行く。」

と宣言したそうです。親は中学受験すらよく知らなかったので驚いたそうです。これは珍しい例で、ほとんどの小学生は中学受験も開成中学も知りません。

サッカー元日本代表の前田遼一選手は、たまたまテレビ中継していた東京都のサッカー決勝戦に暁星中学校が出場しているのを見て、

「この中学校に行きたい。」

と親に言ったそうです。親は今からでは間に合わないので無理だと説明したそうですが、本人の意志が固かったので悔いのないようにさせたそうです。結局、猛勉強の結果、合格しました。
暁星中学校は、暁星高校との中高一貫校です。サッカーの強豪校として知られ、大学への進学実績も高いことで知られています。本人がその気になれば、子どもは大人が驚くほどの実力を発揮します。

実際には、親が経験上、将来の可能性を考えて受験させる場合がほとんどです。始まりは親の思惑からでも、実際に勉強するのは子ども本人。いかに子どものやる気を引き出し、モチベーションを維持できるか、これは大きく成績に影響します。強い気持ちを維持させるのが、親の一番大変な仕事!

小学生は、親の手のひらでコントロールできる最後の年代です。小学校高学年ともなると、子どもによっては既にコントロールできないほど、親に心の距離をおいてしまっている場合もあります。親子の信頼関係がうまくいっていますか?  親の助言やアドバイスを受け入れてくれる関係にありますか?  まずはそこから見直してみましょう。例え、関係か良好でも、100%親の思い通りに進みません。いったん中学受験を始めたら泣いたり笑ったり、家庭ごとに壮大なドラマが始まりです。子どもの気持ちに寄り添って、親力を発揮できるかどうかで未来が変わってきます。

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